しするが気まぐれに書いていくシリーズです。
現在、改めて言うまでもなく、世界中で難しい状況が起きています。
介護の世界でも同様です。
特に、通所施設(デイサービス等)や訪問介護事業所(ホームヘルパー等)の休業・業務縮小、短期入所(ショートステイ)の受け入れ休止等、在宅で介護をされている方への負担が本当に大きくなっています。
そんな中で、生活に密接に絡んでくる『食事』について考えました。
今回は少し散文のようになるかもしれませんが、どなたかのお役に立てば幸いです。
『食べる』ことの意義
からだには栄養が必要
生き物は、生きていくうえで栄養を必要とします。
人間もそうです。食事として、外から体に栄養を取り入れ、体内で必要なものに変換していきます。
大きく分けて五つ(糖質・たんぱく質(アミノ酸)・脂質・無機質(ミネラル)・ビタミン)ありますが、それぞれに必要であり、健康を維持するために欠かせません。
何かが不足したり、あるいは摂りすぎたりしてしまうと、健康を損ね、生活に支障をきたすまでになることもあります。
こころには喜びが必要
生きていくためには必要な栄養を摂ればいい、という考え方もあるかもしれませんが、『食べる』ことがもたらす影響はそれだけではありません。
食事が『美味しい』と感じることは、喜びにつながります。
日常の中で思うようにならないことがあっても、食べたものを『美味しい』と感じられると、気分を変えることもできます。
実際、以前勤務していた通所施設で、そこを利用する決め手となったのが『食事』だったという話をたびたび聞いていました。
その施設は食事にかなり力を入れていて、栄養バランスの検討にとどまらず、利用者の方から直接意見を聞いてメニューに取り入れたり、盛り付けに工夫を凝らしたりと、『美味しく』そして『楽しく』食事ができるように努力していました。
その結果、「ここのごはんが美味しいから」と利用されるようになり、併せて施設で趣味や友人を見つけ、その方の生活に活気が出てくるという結果に結びついたケースを幾度となく目にしてきました。
それだけ、『食べる』ことが生活にもたらす影響は大きいのです。
家庭における食事=『壁』
以上は介護サービスを提供する側の視点ですが、これを家庭に持ってくると、少し事情が変わってきます。
他の記事で再々申し上げているように、私は料理が苦手です。
家庭の中で介護や子育てをしながら、食事の準備をしておられる方々を本当に尊敬しています。
現在の難しい状況であれば、なおさら大変です。
普段であれば福祉に委ねることができている人を、家のことをしながら助けなければならない。
何もかも、です。
時間がいくらあっても足りないと思います。
特に食事を準備することは、生活の中でもかなりの時間と労力を要します。
献立を考え、買い物をし、調理し、食べてもらい、片付ける。
詳細に考えれば、こんな単純な表現で納められるものではありません。
生活を維持する上で、ひとつの『壁』であると私は考えています。
『壁』を超えるために
最近、あるサービスの存在を知りました。
『レンジ調理が可能な配食サービス』です。
しかも、きちんとした栄養管理のもと、食事制限や食形態の調整にも対応しています。
調べていくうちに、そのようなサービスが複数存在することもわかりました。
その中で、「ここは私も使ってみたい」と思ったサービスを2件上げておきます。
1食595円~ 管理栄養士&医療専門チーム監修の、カラダが喜ぶ健康宅食【メディミール】
総出荷600万食突破!栄養価を徹底管理した健康宅配食【メディカルフードサービス】
どちらのサービスも管理栄養士が関わっておられ、健康に必要な配慮がしっかりされています。
加えて、調理済みの状態で届くので、食事を準備するための時間と労力を大幅に減らすことができます。
そして何より、どちらも美味しそうなのです。
見た目が美味しそうでなかったら、食欲のスイッチを入れるのはとても難しくなりますからね。
食事の維持は、生活の維持
これは私の個人的な経験なのですが…
以前、足を悪くされている高齢の方と知り合いました。
痛みで家事もなかなかできないと話されていました。
その上、坂の多い住宅地にお住まいだったために、必要な買い物に行くことも難しい状態です。
福祉関係者とも連絡をとっておられましたが、その方の希望と福祉からの提案がかみ合わず、サポートが十分に受けられていない状況だったのです。
当時その方におすすめしたのは、『配食サービス』でした。
調理された食事(お弁当)を、毎日自宅まで届けてくれるサービスです。
しかし、それらのサービスもその方の希望とうまく合致しませんでした。
本人様が受け取りたい時間と、サービス提供をする事業者の配送可能な時間帯が合わず、結局契約を止めることを選択されました。
毎日受け取る必要があることも、負担だったようです。
その後もいろいろと調整したものの、最終的には施設へ入所されました。
その方は、体の不調はあるものの、他の感覚はしっかりしておられました。
適切なサービスを受けることができていれば、もう少し長くご自宅での生活が続けられたかもしれないケースだったと感じています。
もし当時、『レンチンで食べられる食事』が『まとめて届く』状態だったら、少し違う未来があったのかな、とも思ってしまいます。
家族としての生活を維持するために
私自身も、体調が悪くて何一つできなかった時期を経験しています。
その時、食事の準備はおろか、献立を考えることすら難しかったことを記憶しています。…今でも献立を考えるのは苦手なんですけども。
この記事の冒頭でもお伝えしていますが、今は本当に難しい時です。
生活が壊れるかもしれない時です。もしかすると、もう限界を超えておられる方もあるかもしれません。
まだ試したことのない方法にも、目を向けていただければと思います。
そして、この難しい時を、一緒に乗り越えられますように。
↓改めてリンクを貼っておきます↓