しするは今日も考える。 -Thistle Thinks GOOD Thoughts-

日常のおもしろいこと、経験から学んだことを考察中。

【介護】『おしゃれ』がもたらす効果について。

自分はそんなにおしゃれじゃないなとタイトルを眺めて考えているしするです。

他の人がおしゃれしていることはわかる。

 

こんな書き出しですが、しするが介護的な観点からまとめているシリーズです。

 

ネット上で興味深い記事を見つけました。

forbesjapan.com

 

私の人生の中で、何度か重度心身障害のある方々との交流をする機会がありました。

仕事だったり所属している教会の関連だったりときっかけは様々ですが、本当にいろいろな方たちと出会ってきました。

年齢も症状も個性も、本当に皆さん違っていて、自分の意志の表し方もそれぞれに違いがあります。

 

ただ、上記でご紹介した記事を読んで思い出したのは、

「おしゃれをしている(できている)人はあまりいない」印象を受けていた、という事実です。

 

 

『身支度』をする目的

『おしゃれ』に先立って、まず『身支度』について考えておきたいと思います。

 

広辞苑によると「身なりをつくろい整えること。みごしらえ。」と表現されています。

「みごしらえ」ってあんまり聞かない気もしますが…

具体的に挙げれば、顔を洗うこと、歯を磨くこと、目的に合わせて服を着替えること、髪を整えること、必要に応じて化粧をし、男性であればひげを剃ることも含まれます。

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では、なぜ『身支度』をするのか。

極論を言えば、これらは『しなくても死なない』ことばかりです。

(衛生面の観点からは、病気等の原因になることも考えられますが、今回については『すぐに命にかかわることではない』と捉えていただくと幸いです。)

それでも私たちが『身支度』を必要とするのは、以下のような理由が挙げられます。

身を守る

環境に合わせて適切に衣服を身に着けることや、衛生状態をよくすることで、自分の安全や健康を守ることができます。

寒ければ厚着、暑ければ薄着、汚れるならエプロン、危険な場所ならヘルメットや安全靴など、自分自身を守るために、適切な身支度を行います。

社会に適応する

『 TPO』という和製語がありますが、これは『時・場所・場合』を示し、社会生活を営む上で、配慮を必要とするものです。

冠婚葬祭ではそれぞれに適した服装がありますし、職業によっても『身支度』の仕方は違ってきます。

状況に応じた『身支度』をすることで、社会生活を円滑にすることができます。

『自分』を表現する

上記二つを踏まえた上で、私たちは自分の『身支度』をどんなものにするかを選ぶことができます。

服装、髪型、化粧、持ち物、姿勢も含め、どんな『身支度』をするかによって、私たちは『自分』を表現することが可能なのです。

 

これが、この記事のタイトルにも挙げている『おしゃれ』です。

 

『おしゃれ』をする目的

ここに到達するまでに結構かかりましたが(苦笑)、個人的に『おしゃれ』は自己表現の一種だと思っています。

表現にも個性があり、考え方も人によって異なります。

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そのため、『おしゃれ』の捉え方は人それぞれかとは思いますが、目的としてはおおまかに下記のように分けられると考えています。これはあくまでも個人的な見解ですので、参考までに留めておいてください。

自信を得る

外見の変化によって、自分に自信を持つことができる場合が多くあります。

服装や容姿に自信のない人が、化粧やスタイリングで変身することで、別人のようになることだってありますからね。

喜びを感じる

以前の勤め先でも、利用者の方が新しい服を着て来所されたな、と思って声をかけると、「この服、娘が買ってくれたのよ」と笑顔で話されることがよくありました。

美容院に行かれた時も同じで、周囲の誰かが髪型の変化に気づくと、男女問わず嬉しそうにされる方が多いです。

外見の前向きな変化は、喜びにつながります。

満足する

様々な事情で、自分の着たい服や、髪型や色、化粧などをすることができない場合があります。仕事や環境によって制限があったり、体調が悪くて難しいこともあるでしょう。

自分の好きな装いができることで、心が満たされます。

心が満たされると、いろいろなことに意欲が湧いてきます。

 

『おしゃれができる』という選択肢

世の中には、おしゃれに関心がある人も、そうでない人もいます。

つまり、おしゃれをすることは、基本的には自分で選べることです。

おしゃれに関心のある人が少なからずいるからこそ、世の中にはたくさんのブランドやアパレルメーカーがあります。(今は皆さん大変ですよね…)

 

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しかし、現実には『おしゃれをしたいけどできない』人たちがいます。

置かれている環境によって難しい場合もありますし、身体的な条件によって制限される方もいらっしゃいます。

 

特に、身体的な条件によって『おしゃれ』から遠ざかっている方には、そもそも選択肢がない=選べる服や道具が存在しないケースも多々あります。

 

この分野に挑んでおられるのが、冒頭の記事で紹介されている「UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD.(ユナイテッド・クリエイションズ・オーフォアワン・ウィズ・ユナイテッドアローズ)」です。

そして、こちらを記事中で紹介してくださった方は、チャーミングケアモールというECマーケットプレイスを運営されているとのこと。

charmingcaremall.com

 

とても素敵な取り組みですし、もっとたくさんの人に伝わってほしいと感じました。

こんな取り組みが増えていけば、少しずつでも世界が変わるのかなと思います。

 

必要としている人に、必要な情報が届くように。

諦めていたかもしれない選択肢が、その人にもあると伝わるように。

 

『おしゃれ』の持つ力

私の以前の勤務先は、社会参加を主目的とした通所施設でした。

そのため、おしゃれな方がとても多かった印象があります。

皆さんがそれぞれに自分に似合うものを把握しておられ、着こなしている様子をたくさん見てきました。

f:id:Thistle37:20200522222542p:plain本当にこんな雰囲気の方もいらっしゃるんですよ!

 

利用を始めたばかりの頃は暗い表情で、地味な服装をされていた方も、親しく話す友人ができるようになると、自然に表情が明るくなります。

そして、以前は着ることのなかった、華やかな明るい色の服を選んで来られたりすることもありました。

 

新しい服を着ている時や、美容院に行った後など、『おしゃれ』な変化があった時は、皆さん心なしか笑顔で来られます。

周囲の人がそのことに気づいて声をかけると、とびきりの笑顔が返ってくることがたくさんあります。上の方で書いている「おしゃれで得られる喜び」ですね。

認知症のために、美容院に行ったことを覚えておられなかったとしても、「髪型変わりましたか?素敵ですね!」と言われたら、やっぱり笑顔になる方の方が多いです。

 

人は誰かから肯定的な評価をもらうと、明るい気持ちになります。

『おしゃれ』という自己表現を誰かから認められるのであれば、なおさら嬉しいです。

それは、自信につながります。

そして、幸せを感じる力になります。

 

様々な事情で『おしゃれ』を楽しむことが難しい人たちに、もっと自由に『おしゃれ』を楽しめる機会ができることを願っています。

 

私もその一助になれるようがんばります。